海外「丸裸にされたような居心地の悪さに気づく」『三度目の殺人』で是枝裕和が描いたものは?

  • 2018/4/13
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via:eiga.com

是枝はやっぱり家族を描く

今や小津安次郎監督と並ぶ日本の家族ドラマの代名詞とも呼べる是枝裕和作品の数々。

今年の日本アカデミー賞を総なめにした「三度目の殺人」は是枝初のサスペンスと銘打っていたが、見終わったあとに残るのは、これはやっぱり家族のドラマだったのではないか?という気持ちだ。

「三度目の殺人」第74回ベネチア国際映画祭のコンぺティション部門に正式出品され、海外でも高く評価されている。

via:http://eiga.com/movie/86261/critic/

海外の反応

「海街ダイアリー」とはまたガラッと違う作風。

是枝はもはやポスト小津安次郎という肩書ではおさまりきらない大きな才能。

淡々としているが観客をぐっと掴むグリップの強さ。

注意深くよーく見てみるといい、この作品には今までの是枝作品に流れる優しい感触がそこかしこに残っているから。

役所公司は日本のジャック・ニコルソンだ。

それはとっても上手い例え。彼の演技無しではこの映画の成功はなかっただろう。

恐ろしさを覚えたのは殺人のシーンではなくて、接見室で重森と三隅が対峙するシーン。

一番美しく、恐ろしく、心に残ったのは重森の顔と三隅の顔が重なっている接見室のシーン。

とても複雑、そして考えさせる内容だった。

何を信じるかによって事実は変わってくる。

すごい暗い映画だったし、観た後も嫌な気持ちが残った。
でもこれはすごく印象的な映画。

是枝は今度は舞台を法廷に変えて、法のあり方に迫った。

司法について考えされられた。誰が誰を裁くのか、それを誰が決める権限があるのか。
裁判官も裁かれる側と同じ人間で、人間は間違いだって起こすものだ。

これは家族の、特に親子関係の物語である。

私にも、多感な時期に、血はつながっていないけど親より信頼できて色々話せる大人が居たから、
この娘の気持ちがわかったなあ。

無実の罪や、誰かを庇って死刑になった人って結構いるのかも。

セリフが映画をリードするんじゃない、カメラワークやライティングなど巧みな技術によってその作品らしさが出るんだと思わされた。

見ながら何度も唸ってしまった。なんかこの人の作品って芸術的。

弁護士3人が等間隔で歩いて建物に入っていくシーン、あれが何か好き。
何かを暗示してるの?

真実って何?

まさか是枝裕和が法律にアプローチするとは思わなかったけど、どんな切り口でも是枝らしさ全開でかっこいい。

犯人役の俳優の演技に引き込まれた。

これはただのサスペンスじゃない。
なんかこちらの人間性を試されているような、丸裸にされたような居心地の悪い気分になった。

やっぱり是枝裕和は天才だった。

ベルリン映画祭の映像で是枝監督をはじめて見た。
どんな狂気的な天才らしい風貌かと思っていたら、とても穏やかな顔をした紳士で驚いた。

是枝の作品には毒がある。でも根底に流れるのは是枝自身の優しい心だ。

まるで質のいい日本料理を食べた後のような、心が清まるような感覚を覚えた。

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みんなのコメント

  1. 名前:名無しさん : 投稿日:2018/04/14(土) 22:44:00 ID:Y2Mzg5NTA

    この前の記事を読んで興味を惹かれてこの映画を見たけれど
    とても良かった
    管理人さん、ありがとう

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